リアル獄中記「ムショ活」

受刑者ブロガーJ。1993年生まれ、26歳。2019年2月に詐欺容疑で逮捕され、上野警察署から東京拘置所に移送された後、2020年2月に懲役の実刑判決を受け、現在福井刑務所に服役中。厳しい発信制限の中、娑婆に居る協力者の手を借り、獄中記ブログ「ムショ活」を毎日更新。

6/15(日曜)「初の4分間シャワー」

今日からまた出役。

 

メイン作業の運搬は、新しく入ってきた同居人に教えながら2人で回ることに。

 

今までの補佐よりも全然仕事できそうなので凄く助かる。

 

これで少しは楽になるかな。

 

今日はミシンで初めての掛け布団カバー作り。

 

難しくて1段目はちょっとガタガタになっちゃったけど、2枚目からは中々キレイ作れた。

 

作れる物、出来る作業がどんどん増えていくなぁ。

 

仕事のモチベーションも上がる。

 

今日から週3日に増えた入浴に加え、4分間のシャワー入浴も追加された。

 

初めての4分シャワーは全然時間感覚が掴めず、洗い終わるのがギリギリになってしまった。

 

ただでさえ忙しない入浴が更に忙しい。

 

入らないよりはマシなので文句は言えないけどね。

 

今日はなんでか1日が終わるのが早かった。

 

こういう日が毎日続けば良いんだけどなぁ。

6/14(日曜)「今月1番のオススメ小説」

最近居室では少しでも現実から逃げるべく小説に没頭している。

 

なぜだか物語を読んでいると雑音が気になりにくい。

 

同居人達のゲスくて醜悪さの極境のような会話をシャットアウトできるから、とても良いアイテムだ。

 

FXにしろ将棋にしろ、何かを学ぼうとすると、とたんに雑音が邪魔してくる。

 

その点小説はそうはならない。

現実逃避には欠かせない。

 

6月に入ってからは6冊の小説を読んでいる。

 

百田尚樹の「夏の騎士」は、百田尚樹にしてはライトな作品で読み易くて良かったし、CMでもよく目にする島本理生の「ファーストラヴ」は闇を抱えた人達の苦悩を見て色々考えられて良かった。

 

中でも1番良かったのは、佐野よるの「君の膵臓を食べたい」だ。

 

久しぶりに本を読んで涙を堪えるのに必死になった。

 

映画化していて名前は知っていたけど、これほどの作品だったとは。

 

作者の言葉の選択が完璧で感情を言語化するのが抜群にうまく、共感というよりも、自分が物語の中に入り体感しているような気分になった。

 

この作品は今、1番人にオススメしたい作品だ。

 

涙なしでは見られないストーリーと、的確すぎる作者の言葉選びを是非感じて欲しい。

6/13(土曜)「ウンザリ」

休日だからずっと居室にいるしかないんだけど、一日中他人と狭い空間に居るとストレス溜まる。

 

前向きな言葉ならまだしも、自分の価値観から逸れた物は全て否定し嘲笑う同居人達の姿にウンザリ。

 

こんな奴等と同じ環境に居なくてはいけない自分が情けないし、腹が立つ。

 

懲役が4年以上経過してるボスはストレスをどう発散してきたんだろう。

 

他人の事に気を使えない自己中人間達は、TVを見たいようが書き物をしてようが、そんな事お構いなしにでっかい声でしょーもない話ばかり。

 

鬱陶しいなぁ本当。

 

昨日の夜は映画「ピカチュウ」が流れた。

 

ハリウッド映画でポケモン!?って思って見てみたら大ハズレ。

 

娑婆での評価が気になるけど…。

 

せっかくの映画なのに残念。

次の映画に期待しよう。

 

一度見たら鳥肌全開で奮えるような1本に出会いたい。

6/12(金曜)「執筆依頼!?」

矯正指導日なので作業はナシ。

 

ここ福井刑務所には、毎月発行される刑務所新聞のようなものがある。

 

そこには色んな受刑者のテーマに沿った感想文などが掲載されている。

 

昨日オヤジに呼ばれて、そこに載せる感想文を依頼したいと言われた。

 

何かしらの理由があってのことなのか、それともただ適当に選ばれただけなのか。

 

どちらにせよ断る理由も無いので引き受けることにした。

 

自分の書くテーマは「夏の思い出」。

 

400字の原稿用紙に書くのだけど、毎日400字程度の日記を書き続けている自分には朝飯前だ。

 

誰が読んでいるのかも分からないような月刊紙だけど、書くからには自分らしさを出せたら良いな。

 

昨日依頼を受けてすぐに誌面に掲載されている作品を確認してみたけど、作品のクオリティは高くなかった。(笑)

 

とりあえずハードルは高くない事が分かって一安心。

 

明日、明後日の休みの時間を使って書き上げようと思う。

6/11(木曜)「急に新入りが!?」

今月もうだるような暑さ。

 

大雨で湿度も高くいつにも増して汗が止まらん。

 

体がダル重な今日は色んな事があった。

 

まずは今まで洗濯工場の班長だった人が「親生寮」と呼ばれる釈放前に入る居室に移動になり工場から上がった。

 

班長とは年も近く、仕事の事で随分気にかけてもらっていたので最後にお礼を言えないのが残念。

 

1人少ない中で作業をしていると、急に他の工場から1人洗濯工場に!

 

しかもその人は考査工場(新入訓練)で少しだけ一緒だった人だ。

 

今日から居室も同じになるという事で、やっと洗濯工場で後輩らしい後輩ができたと思ったら、居室ではその人が3番手に入り、自分は4番手になるとのこと…。

 

居室の番手は、刑が確定して受刑者になったのが早い順で決まり、その人は自分よりも10日早く受刑者になったらしい。

 

ちゃんとした後輩が出来るっていつになることやら。

 

まぁここで後輩と言っても全員年上だけどね。

 

今日から同部屋の人も45歳で20近く上の人だし。

 

いきなり3人→4人部屋での新生活がスタートする事になったけど、うまくやっていけると良いなぁ。

6/10(水曜)「海に入りたいなぁ」

今日も30度越え。

 

まだ梅雨も来てないっていうのにどうなってんだ福井。

 

こんなにもボクサーパンツが鬱陶しいのは生まれて初めてだよ。

 

そして、意外と制汗剤が役に立っている。

 

「Ban」のプレママスティックというやつ。

 

スティックタイプは初めてだったけど、脇に塗ってから出役すると汗くささが目立たない。

 

800円以上するから極力節約して使わないといけないけど。

 

今日はシーツを30枚以上作った。

 

シーツは縫う前に折り目をアイロン掛けするんだけど、沢山あるから汗がドバドバ湧き出してくる。

 

真冬だったらあったかくて良いんだけどなぁ。

 

今日もたっぷり汗をかいて作業終了。

 

作業後は今週から週3回になった入浴。

入浴は明日もあるので髭剃りさ明日に回して洗体時間をいつもより長くとり、髪も体も徹底的に洗う。

 

これだけ汗が沁み込んだ身体をゴシゴシ洗うと極上のキモチ良さだ。

 

いつだって何かを耐えぬいた後には至福が待っている。

 

帰房し点検を済ませ飯を食べて今日も1日終了。

これからTVタイム。

 

いっつも夕方のニュースで湘南の海が映り、小波で遊んだらサーファー達の姿を見る。

 

波は無いけど最高に羨ましいよ。

 

海入りたいなぁ。

6/9(火曜)「また手紙で注意された…。」

手紙の発信日。

 

前回出してからもう1週間経ったのか!

 

1週間は早く過ぎるのに1ヶ月は中々過ぎないのはなんでだろう。

 

今日は最高気温35度とかなり気温が高く、1日中ずっと蒸し暑かった。

 

外レク(グラウンド運動)で外に出ると更に暑い。

 

ムッとして空気が重たい。

 

さすがにここまで気温が上がると体がダルイなぁ。

 

ランニングは帽子もマスクも付けっぱなしなので汗が止まんない。

おまけに頭もおでこも蒸れて猛烈に痒いし。

 

体が痒くなるとむちゃくちゃ苛々してくる…。

厳しいなぁ。

 

いつも通り汗だくになりながらアイロン掛けをしていると、オヤジに呼ばれ、今日出した手紙に書いてはいけない内容を書いてしまっていたらしく、また注意を受けてしまった。

 

どこまでが良くてどこまでがダメなのか、いまいちラインが分からん…。

 

その内手紙出せなくなるぞ!と言われてしまったので気をつけないと。

 

ここで手紙禁止されたら生き甲斐無くなるも同然だからね。