リアル獄中記「ムショ活」

受刑者ブロガーJ。1993年生まれ、26歳。2019年2月に詐欺容疑で逮捕され、上野警察署から東京拘置所に移送された後、2020年2月に懲役の実刑判決を受け、現在福井刑務所に服役中。厳しい発信制限の中、娑婆に居る協力者の手を借り、獄中記ブログ「ムショ活」を毎日更新。

2/5(水曜)

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いよいよ判決当日。

朝食は麦飯、鮭ふりかけ、きゅうりの漬物、お麩の味噌汁。いつもより急ぎ目で朝食を食べ終えハミガキをしながらスーツに着替える。寒いので上にフリースを羽織り、チリ紙、ハンカチを持っていざ裁判所へ。手錠をはめられロープに繋がれて、大人達がゾロゾロと護送車に乗り込んでいく。我ながら情けない姿だ。約30分程バスに揺られて裁判所に到着!久しぶりに町の景色が見れた。到着は9:00前くらい。裁判を待つ為の小部屋に入れられる。自分の裁判の11:30までは同部屋になった人と話したり、部屋に置いてあるマンガを読んだりと気を紛らわせる。待機部屋は自分合わせて25人。1人、また1人と出廷していき、そのまま帰ってこない人も居た。きっと執行猶予判決を受けて釈放されたのだろう。そしていよいよ自分の番が回ってくる。連行する担当職員が2人でやってきて、再度手錠をはめロープを腰に巻かれる。長い廊下を歩き、エレベーターに乗り法廷へ。前の裁判が長引いているみたいで外のベンチで5.6分待たされる。この5.6分がとても長く感じされた。ようやく扉が開き、前の裁判の関係者が出たので法廷の中へ。傍聴人が思ったよりも多い。心臓の音が早く、大きくなる。検察官、書記官、弁護士が続々と入ってきて定位置についた所で、裁判長が出廷。全員、起立、一礼、をして自分は被告人の席へ。裁判官の軽い挨拶が済んだ後、「被告人は証言台の前へ!」と促され、証言台の前へ立つ。いよいよ判決を下される時が来た。ここに立っても思ったより冷静だ。そして裁判官の口から判決が下された。「主文。被告人を懲役7年とする!」案外あっさり言われた事もあってか、動揺は一切なかった。それからは判決理由が述べられてすぐに閉廷となった。待機所に戻り丁度12:00で昼食。

弁当を食べた後、弁護士の先生と最後の面会。判決内容については特に不満もないので控訴の意思がない事を伝え、これまでのお礼を伝えてお別れとなる。約一年間、圧倒的なスピードで仕事をこなし、弁護士としてやらなくて良い事までやって頂き、頭の回転が速く、鋭いアドバイスを何度も頂いたおかげで、接見禁止で誰とも連絡の取れない状況の中、本当に心強い存在でした。長い間、本当にお世話になりました。東拘に戻り、夕食を食べ、いつも通りこの日記を書く。色々と想う事はあるが、とにかくこれで全てが終わりやっとスタートラインに立つ事が出来た。これからは自分が犯した罪を償うべく受刑者としての日々を送って行く事になる。ここに来るまで色んな人達の支えがあって生きてこれた事に感謝して次に進んで行きたい。これからは何が起きても大丈夫。これまでの一年間はその為だけに過ごしてきたのだから。

夕食は麦飯、野菜炒め、牛豆腐スープ、みかんゼリー。