今、僕の心はとても穏やかだ。懲役7年。これが僕に下された、僕が起こした事件による判決だ。強がりでもなんでもない。この判決を受けて心底ホッとしている。懲役7年というのは、刑事事件の中でもかなり重い刑罰だ。今回僕はそれだけ重大な事をしてしまったと言う事だ。自分の未熟すぎる行動が、とても多くの人達を悲しませ、大きな傷を負わせてしまった。当然の結果であり、重く受け止めないといけない。それでも僕は7年間罪を償えば社会に戻れるチャンスを頂いた。これからやらなければならない事も重々理解している。まずは自分の犯した罪の卑劣さを見つめ直し、与えられた刑を全うすること。そして何よりこのチャンスを無駄にせず、目標に、夢に、ただひたむきに歩き続ける事だ。社会に役立つ人間になるにはまず、自分が幸せになること。幸せな個人が集まれば、きっと社会は豊かになっていくはずだから。今回僕は、今まで生きてきた26年間の中で最も大きな過ちを犯した。思えばこれまでも数多くの失敗を積み重ねてきたと思う。警察のお世話になった事だって何度もあるし、辛いことも、思い出したくないことも、後悔したことも沢山ある。僕は本当に不器用だし、頭だって全然良くない。そのくせ大の負けず嫌いなものだから、自分の持つキャパをこえ、いつもとんでもない事をしでかしてしまう。気持ちの強さだけで頭1つ抜き出た事もあるけれど、ほとんど失敗ばっかの人生だったと思う。そして今回だってそうだ。こうして塀の中で文字を書く事でしか人に気持ちを伝える事ができない。それでもたったの一度だって、自分の人生が嫌だと思った事なんかない。失敗する度に得られる物の大きさも良く知ってる。自業自得でこうなってしまった僕に「出てきた後の事は何も心配いらないから、腐らずしっかりつとめて来い。何年かかっても待っているよ」と言ってくれる頼もしい先輩がいて「やりたいことこそゆっくり確実に。妥協せずに本気でやってりゃ、叶わない物なんてないよ」と言ってくれる心優しい友が居る。僕の背中は常に誰かに守られていて、何度失敗しても後ろなんて振り返らずに全力で前に走り続けられる理由だ。馬耳東方で全く聞く耳を持たない僕を見て、「アイツらしいな」と笑ってくれる僕の友人達は世界最強だ。そんな友人達の為にも、自分のしてしまった事にしっかりとケジメをつけ、新たな道に向かって行きたい。ここまで走り続けてきた僕の道は、とんでもない凸凹道だ。そのでこぼこに差し掛かる度に経験した、心がヒリヒリするような痛みや、ジリジリと削られていくような恐怖。それは決して楽しい物なんかではないのだが、その絶望の中にこそ、絶望の中にしか潜まない快楽も意外と多いのだ。それに成功しか知らない人にはない、挫折や失敗を知っている強さだってある。僕がこれまで何を目指してきて、そしてこれから何になりたいのか。正直よく分かってない。だけどたった1つだけ、昔から変わらずこれからも目指していきたい事がある。それは自分の幸せだ。どんなに環境が変わろうが、これだけはブレることなく、自分の幸せに忠実に、誠実に生きていきたい。地元から離れ東京に出てきた時、ゴロゴロいる天才達を目の当たりにして悔しくて眠れない日もあったけど、今はそれすら無駄だと思えるようになった。劣等感など少しもない。大切なのは常に自分至上最高で居ること。そして、自分がどんな道を選んだかではなく、選んだ道をどう生きるか。これから先も常に自分らしく、全力で走り続け、凸凹道の続きを創って行くつもりだ。その道の先にしか、自分の人生は無いのだから。いつかまた、笑顔で社会に戻れるその日を夢見て。