リアル獄中記「ムショ活」

受刑者ブロガーJ。1993年生まれ、26歳。2019年2月に詐欺容疑で逮捕され、上野警察署から東京拘置所に移送された後、2020年2月に懲役の実刑判決を受け、現在福井刑務所に服役中。厳しい発信制限の中、娑婆に居る協力者の手を借り、獄中記ブログ「ムショ活」を毎日更新。

2/12(水曜)

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朝食は麦飯、きな粉、菜葉の漬物、法蓮草と大根の味噌汁、ピーチゼリー。枕カバー、シーツの交換。願い事が回ってきたので母宛に手紙の発信。雑誌「ダ・ヴィンチ」の中島みゆき特集を読む。「ファイト!」という曲の2番に「暗い水の流れに打たれながら 魚たちのぼってゆく 光っているのは傷ついてはがれかけた 鱗が揺れるから」という歌詞があった。鱗が剥がれ落ちそうになるほどの傷を負いながらも水の中を昇っていくその姿は、キラキラ輝き美しく見えるのだろう。世の中の輝いている全ての人、物の裏側には、苦悩や努力が貼りついているということを考えさせられた。そして1970年代から強い光を放ち続ける中島みゆきもまた、濃い影と闘い続けながら生きているのかもしれない。それを感じながらこの歌を聴かないのがとても残念だ。室内ストレッチで凝り固まった体をほぐしコーヒーを飲む。ラジオの音楽番組で中島みゆきが流れる事を期待したのだが気持ち届かず。

昼食は麦飯、厚揚げとごぼうの煮物、コロッケ、オニオンベーコンスープ。先週購入したプレイボーイが届き運動に出る。居室は寒いのに外は暖かい。野村克也の訃報が話題になる。同じラジオを聴き、同じ記事を読んで、翌日その話題で盛り上がる。なんだか昭和初期にタイムスリップしたみたいだ。房に戻りスポニチを読む。勿論、野村監督が一面に。体幹レーニングをしてラジオを聴きながらコーヒーで一休み。体幹レーニングも全く形にならなかった型が少しずつできるようになっていく。丁度中島みゆき特集を午前中読み終えた所に中島みゆきの「タクシードライバー」が好きだった地元の友人からの手紙が届いた。このブログを読んでくれているらしい。が、もう少しエッジの効いた発信を期待している様子。色々と葛藤があるのだよ…。詳しくは「偽善者たちへ」を読んだ感想を見て下さい。それに世間に物申せるほどの教養はありません!気の効いた発信が欲しいのなら、リテラシーUPに繋がりそうな本を沢山送って下さい!(笑)小学校時代からの旧友の手紙を読み心が和む。

夕食は麦飯、野菜炒め、山菜風そば、コーヒー牛乳。友人への返信を書く。ラジオが流れ始めエミネムの「ルーズユアセルフ」が流れる。煌々とした灯りの独居でルーズユアセルフが流れる中、手紙を書いている姿は、もはや8マイルの1シーンだ。一気にアンダーグラウンドの雰囲気になってしまった。音楽の力って大きいなぁ。