お母さんからの手紙が届き、2人がブログを見てくれた事を知ったよ。今日で捕まって丁度1年。自分が塀の中でどんな気持ちで生活を送っているかは手紙、日記を見て大体分かってくれていると思う。外での生活の中で2人が日々課題に向き合って生きていると言っていたから、今日はこの中での生活で見つけた事を書いてみるよ。前に手紙でちょこっと書いた事なんだけどさ。
早速だけど2人は人の為に何かをした経験があるでしょ?家族の為にでも友人の為にでも良いんだけどさ。必ずあると思うんだ。勿論俺にだってある。でもさ、実はそれって誰かの為と言いつつ自分の為にやってる事だと思うんだよ。面会の時に何気なく言ったお母さんの言葉はそれを象徴しててさ。これは全ての人に言える事だと思うんだけど、例えば家族の為に手を差しのべるのは家族が苦しむ姿を見ると自分が辛いから。友達の為に協力してあげるのは友達の喜ぶ顔を見ると自分が嬉しいからだと思うんだよ。だからその事をすっかり忘れちゃってる時って自分はこんなにやってあげたのに!って気持ちが生まれちゃってさ。それなのにちゃんと返してくれないって勝手に恨みみたいな物が残ったりさ。この前ラジオののど自慢を聞いてて、この春から大学の医学部に進学しますって女の子が出場してたんだよ。その子凄く歌が上手で合格してさ。合格インタビューの「何で医学部を選んだの?」って質問に「親を安心させたくて」って答えてたんだよ。のど自慢に出るくらいだから歌が大好きな訳では。歌もめちゃくちゃうまかったしさ、もしかしたら歌手になりたいって夢が心のどこかにあるんじゃないかなって思ってさ。それでも親が安心する医学部を選んだ。もし本当にそうだとしたらこの子は親を心配させる方が夢を諦めるよりも辛い事なんだなって考えちゃってさ。それは凄く立派な選択だと思うし家族をとても大切に想える優しい子だなって思うんだけど、その子が少しでも親の為に犠牲になるという気持ちがあるなら、この先苦しい想いをする時が来るだろうなって勝手に妄想しちゃったんだよね。実はこれ、子供の時の俺そのものでさ。本当は遊びたいのに勉強した方が2人は喜んでくれるでしょ?野球もピアノもくもんも塾もやっぱり活躍すると喜んでくれるって分かってたからさ。そんな顔が見たいが為だけに我慢してたんだなって思ってさ。現に辞めた後にまたやりたいって思ったものって無いもんね。だから人の為にって思ってやってる事は全部自分の為であって、そういう考えになれないとその誰かを下手したら一生恨んで生きて行く事になっちゃうと思うんだよ。そう思えると部下の為とか上司の為とか思う事がなくなって例え人が思い通りに動いてくれなくても、少しストレス減るかなと思ってさ。もし生活に役立ちそうだったら使ってみて。
なんかあんま上手くまとめられなかった気がする…。だけど長くなりすぎると更新してくれてるYさん大変だから最後にこれだけ!
「お父さん。3年くらい前、普段は物静かで口数の少ないあなたが珍しく駅前の寿司屋に誘ってくれて初めて2人で飲んだ時、いつだか駅の階段で知らないお婆ちゃんの荷物を持ってあげた俺の姿を覚えてて、立派になったなぁ驚いたよ。と言ってくれ、お前のたった一度の人生だからどんな生き方をしても良い。とにかく好きなように生きなさいと言ってくれました。普段何も言わないけれど、ちゃんと応援してくれてるんだと安心したのを今でも覚えてます。そしてお母さん。お父さんとは正反対とも言えるあなたの数え切れない言葉達に何度ムカついたか分かりません。毎日毎日鬱陶しすぎるほどの愛情を浴びせ続けてくれたおかげで、どれぼど擦っても心から落ちてくれません。そんな2人の元で育ったろくでなしの次男坊はとてつもなく心の広く深い仲間達の和の中で今日も幸せを噛み締めて生きてます。そして、2人から、友から、与えてもらった幸せがこうして全国に発信され、きっと誰かの幸せになっていると信じています。今はまだとっても小さなエネルギーをこれから仲間達と共に大きく膨らませ、全国に世界に届けられたらどんなに素晴らしいだろう、そんな明るい未来を夢見ています。当分会う事はできませんが、いつか再び会える時にはお互い豊かな心で、笑顔で会える事を願っています。まだまだ未熟者の自分を少し遠くから見守っていて下さい。息子より。」