リアル獄中記「ムショ活」

受刑者ブロガーJ。1993年生まれ、26歳。2019年2月に詐欺容疑で逮捕され、上野警察署から東京拘置所に移送された後、2020年2月に懲役の実刑判決を受け、現在福井刑務所に服役中。厳しい発信制限の中、娑婆に居る協力者の手を借り、獄中記ブログ「ムショ活」を毎日更新。

3/4(水曜)

f:id:j-realstory2019:20200313145428j:image

朝食を食べ作業開始。今日も昨日と同じパック詰め。しばらくして運動に出て爪を切り場内をぐるぐる歩き回る。未決の独居の時とは違い集団の運動場はそれなりに広いので軽く走ってる人もいる。30分間歩いたりストレッチしたりして帰房。作業中新人が入ってくるとの事で先に毛布が届いた。ここに来て丁度一週間。ついに後輩ができることになった!

そして昼食前に新人(おじさん)が入って来て我が房は4人になった。2番手の先輩が色々教えてくれていたので、その間に昼食準備をする。昼食を食べ午後の作業は4人で行う。1人増えたので少し負担が減った。新人は50代のおじさんだけど、超単純作業なのでスムーズにこなせていた。きっとこういう単純作業ができないような人は独居に送られてるんだろうなぁ。何の問題もなく4人で作業を行い、16:00今日も作業終了。

夕食をみんなで食べて点検。新人のおじさんは初日なのでかなり緊張している様子。めちゃくちゃ気持ちが分かる。自分も初日はガチガチだったからなぁ。きっと明日、明後日には気楽に話せるようになっているだろう。交付された新聞を読む。新型コロナウィルスの影響で産業活動が停滞している中国では、二酸化窒素による大気汚染が大きく改善されているらしい。禍福は糾える縄の如し、人間万事塞翁が馬。一見悪いと見える事物でも良い部分も必ずあるんだよなと改めて思う。というか悪い事などこの世に存在しないような気さえしている。本当の不幸なんてなくて、どんなに辛い環境や酷い環境の中にも必ず幸せがある。1年間娑婆での生活じゃ考えられない量の本を読み、新聞を読み、週刊誌を読んでびっくりするくらい人生観が変わった。幼い頃、本を読まされる事が嫌で嫌で仕方なかったけどきっと大人達はこの景色を見せたかったのだろうなーと収容生活の中でようやく理解できるようになった。今の同居人の一人は「めちゃくちゃ頭の回転早いよね!」とここ数年では考えられない事も言われてビックリ。でも確かに少し前に比べて言葉に詰まらなくなった気がしてたんだよなー!気付かない内に言葉の引き出しが少し増えたんだなぁとなんだか嬉しい。ここ数日は全然本が読めていないけど毎日10ページずつでも読み進めよう。