リアル獄中記「ムショ活」

受刑者ブロガーJ。1993年生まれ、26歳。2019年2月に詐欺容疑で逮捕され、上野警察署から東京拘置所に移送された後、2020年2月に懲役の実刑判決を受け、現在福井刑務所に服役中。厳しい発信制限の中、娑婆に居る協力者の手を借り、獄中記ブログ「ムショ活」を毎日更新。

3/18(水曜)※刑務所への移送日

f:id:j-realstory2019:20200328202924j:image

まだ外は暗い起床時間前、突然居室の電気が点き起こされた。食器口に職員が来て、すぐに移送となるので準備しろとの事。まさかこんな朝早く移送になるとは。てことは結構遠い所か!?とか考えながら洗面、ハミガキを済ませる。その後すぐに見た事のないスーツ姿のおじさんが迎えにやってきた。1階に降りて私服に着替えていると、なんとここで別の棟から2人合流!よかったー。1人じゃなかった。ちょっぴり安堵し、着替えの続き。久々のスニーカーは少し圧迫感を感じた。思えばここ1年間地検に行く時も裁判を受ける時も常にサンダルだったからなー。荷物の最終確認をして朝食を食べる。トイレを済ませると3人整列させられて移送の準備。1人1人ベストを着させられ、手錠をはめられる。ベストと手錠をしっかりロープで繋がれここでしっかりウィルス対策のマスクも着用OK。これが人生最後の手錠となるだろう。

そしていよいよ出発でバスに乗り込み向かうは東京駅!!新幹線に乗る為、バスから降りると手錠で繋がれたまま、重たい荷物を抱えて改札を抜けホームに向かう。平日の朝7:15頃という時間帯かそれともコロナの影響か駅は全然人が居なかったので、それなりには見られたけど無事新幹線に乗り込めた。そして時刻は7:30東京駅を出発!新大阪方面に発車し、途中1度乗り換えて約3時間半、新幹線に揺られていた。痩せて肉がなくなってしまったお尻で座りっぱなしで、そろそろ痛みが我慢しずらくなってきた午前11:00過ぎに到着駅へ!到着した駅は東京駅とは違いとにかく人が多く、坊主頭3人組が手錠をかけられロープで繋がれている姿は皆の注目の的に。若い女の子達には「え、ヤバイ!あの人達、手繋がれてんじゃん!」とザワつかれ、若い男の子達は自分達を面白がってニヤニヤしながら近づいてきたりとか、からかわられた。一瞬、ここは一丁犯罪者らしく怖い顔して脅かしてやろうかとイタズラ心が芽生えたけど、そんな立場でも状況でもないので下を向いてひたすら若い子達の視線に耐える。恥ずかしすぎるぜー…。なんとか人混みを抜けて到着駅で待機していた迎えのバスに乗り込む。そして駅からバスで走る事約10分。ついに、ついに刑務所に到着!

これから7年弱という長い期間を過ごす場所となったのは…なんと、“福井刑務所”だった!出発前、行き先を告げられた時、なぜ福井!?てか、福井ってどこ!?とかなり驚いた。今まで色んな刑務所経験者に会ってきたけど、一度も聞いた事のないその名前に正直不安になった。そして、いざ門をくぐった時に視界に入ってきた建物の年季の入り具合にますます不安が倍増。バスを降りて古い建物に入るとここからは新人の手続きでてんやわんや。私服から官衣に着替え荷物のチェック。色んな書類の記入などを終え、コロナ対策で体温チェック。無事平熱。そして昼食を食べて入浴があり、入浴場へと向かうのだが…。とにかく建物全てがアナログすぎる。東拘は全ての扉が指紋と暗証番号なったのにここでは全てが鍵。天井も低いし壁もザ・アスファルト!って感じ。分かり易く言うと古ーい昔の小学校みたいな感じ。入浴を終えて別の部屋で色々説明を受ける。その説明によると、新型コロナウィルスの影響でここから2週間は独居で隔離となるのだとか…。厳しいで有名な新入訓練は二週間お預けとなった。説明が終わり、これから2週間の問過ごす独居に連れていかれると…なんか色々ヤバイ…。東拘の独居よりも遥かに狭いし、古いし、汚いし…。きっと一般の人が想像している通りの“刑務所”って感じの房だった。近代的な東京拘置所にすっかり慣れてしまっていたので、この落差はかなり痺れるなぁ。そんな独居で寂しく夕食を食べる。食事の容器も時代を感じる。その後は就寝時間まで、居室内を見渡すと気が滅入るので記入しなきゃいけない書類やテストみたいなのを、ひたすら書き続ける。今日は色々と動いて疲れたので眠れそうで良かった。起きていると嫌な事を考えてしまうのでさっさと寝る事にしよう。とりあえず、刑務所入所日はこれにて終了。