リアル獄中記「ムショ活」

受刑者ブロガーJ。1993年生まれ、26歳。2019年2月に詐欺容疑で逮捕され、上野警察署から東京拘置所に移送された後、2020年2月に懲役の実刑判決を受け、現在福井刑務所に服役中。厳しい発信制限の中、娑婆に居る協力者の手を借り、獄中記ブログ「ムショ活」を毎日更新。

3/19(木曜)

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ここの独居はめちゃくちゃ寒くて昨夜は寒さとの闘いだった。寝返りをうったすきに入り込んでくる冷たい空気に何度も起こされた。初日の夜から刑務所の厳しさを痛感して6:30起床。点検を済ませて朝食。

朝食は麦飯、なめ茸、温泉卵!!キャベツと麹の味噌汁。半熟卵なんて娑婆以来だ!味噌の味も東京とは違うぞ。早速今日から居室内で作業開始。ここでは洗濯バサミを作る作業だ。世話係の受刑者の説明を受けてスタート。作り始めてすぐに健康診断を受ける為一時中断。居室を出て医務の棟に移動する。待機室ではエアコンの暖房ではなくストーブが稼働していた。灯油の匂いが懐かしい。健康診断を終えると昨日に続き今日も入浴。2日連続で入れるのはラッキーだけど、私物の石鹸もシャンプーも検閲中で官物のバリバリ石鹸しか使えず髪の毛も皮膚も凄いことに。入浴後は乾燥で肌がボロボロ落ちてくる…。そして房に戻ると衝撃の事実が!なんと居室の窓が少し開いているではないか!昨夜寒かった原因は完全にこれのせいだよ…。東拘は窓を開けるには横についているつまみをスライドさせると窓が開く仕組みになっていたけど、ここでは直で開け閉めできるのね!それにしてもなぜこんなにビミョーに開いてるんだよ…。おかげで全く気付かなかったわ…。気を取り直して作業再開し、12:00昼食まではひたすら作業。

昼食は麦飯、豚肉のごま風味炒め、糸こんしらす煮、菜花辛子和え、緑茶缶。午後の作業開始となり、もくもく洗濯バサミを作り続ける。その内検閲を終えた荷物が全て返ってきた。無事に4冊のエロ本も通過。Tシャツとパンツは官物を返し、私物の物に着替えると柔軟剤の良い香りが!これはまだ未決の時にYさんにお願いしていた洗濯物の匂いがめちゃくちゃ良い匂いだったので、Yさんから返ってきた洗濯物の間にTシャツとパンツを挟み込んで匂いをつけておいたのだ。匂いを放出しない為にキャリーケースの中に入れておいたら今でも良い感じに匂いが残っていた。これはやっておいて大正解。中ではこれくらいしかコンディション整えることできないからね。荷物を整理して作業に戻り、終業の16:30までひたすらこなした。今日は洗濯バサミを300個以上作った。点検を終えて夕食。

夕飯は麦飯、豚ロース竜田揚げ、変わりきんぴら、白菜ナムル。ここの飯は容器もそうだしビジュアルもビミョーなんだけど味は東拘よりも旨い!空いた時間に小汚い居室内を隅々まで掃除すると中々スッキリ。昨日はこの時代にはあまりにもフィットしないこのアナログ感に少し戸惑ったけど、ここは刑務所だしこんなもんかって思いになってきて早くも慣れ始めた。良く分かんないけど福井県っぽさを感じている。昨日の移送中、新幹線の窓から見えた景色も大自然でまるでジブリのような風景だった。そう言えば、小田原から熱海間の海も見えたし、多分福井の海も見えて随分目の保養になった。東京からはだいぶ離れてしまったけど、自然豊かなこの土地で受刑生活頑張ろう!とりあえず2週間は独居なので今の内に溜めていた本を一気に読んでしまおう。