判決、懲役7年。
詐欺事件での判決に関しては重くて長い結果となった気がする。「殺人」「傷害、暴行」「強姦」この手の事件に関しては罪を犯した事に対しての代償として自由を犠牲にし長い時間かけて償う事が妥当とは思う。犯してしまった行為は全て過去の事となり、どう頑張ったとしても、罪を犯す前の状態に戻す事は出来ないのだから社会から離れ、長い時間をかけて償い被害者の方々に対して納得の行く判決を受ける必要があると個人的に思っている。
さて、私がある種の憤りと違和感を覚えた今回の詐欺事件の判決はどうだろう。懲役7年。非常に長い。それは受刑者となったJを庇う為に言っているのではなく、被害者感情に寄り添った上で素直に長いな。と感じた。
詐欺は人の心を欺き、その良心につけ込みその心を利用し金をむしり取る非常に卑劣な犯行だ。
しかし身体的な被害は受けない。精神的な被害はあるとしても、先ほど述べた犯罪行為に比べ誰が見てもその事実は明らかだとは思う。被害者の方の感情は置いてシンプルに考えた結果、私は思った。「金を騙し取られた」以上。
僕の完全に個人的な判決を言いたい。例えば被害額が1,000万円あり組織的な犯行だったとしよう。
「判決、懲役2年。なお出所後10年以内に全額返済する事。慰謝料として250万円はその後に支払う事にする」
こんな感じだ。このような詐欺事件に関しての懲役刑は周りの人間との関係を断ち切る為の最低限の時間と罪を犯してしまった事への相当な期間として2年前後が妥当に思う。なぜなら、懲役7年は検察または裁判官の一方的な結果重視の懲罰であり、被害者の感情に寄り添っていないと思うからだ。被害者の方は確かに精神的にも傷ついた。これが未成年の犯行であるなら、その親が責任を取り被害額が戻り慰謝料が支払われるとは思うが、詐欺事件に関しては知識量が多く言葉を巧みに操れる成人の犯行が圧倒的に多いはずだ。 被害者の身になって考えたとすれば、慰謝料はともかく、一刻も早く取られたお金を返してほしいはず。ましてや高齢者なら尚更なはずである事が安易に想像つく。実際、詐欺事件の被害者にお金が戻る事はほぼ稀だという事を聞いた。では、刑期を満期で終え、もしくは模範囚のように刑務所内でお利口に過ごし、仮釈放をもらえて早めに出所してきたとする。その後はどうなるのだろう。判決において出所後の返済の面まで取り決めないと被害者にとっては何も意味をなさない事となる気がして心が落ち着かない。
これが私が初めての裁判に出廷して今回の判決を聞いて感じた率直な感想だ。人は愚かな生き物なので時間の大切さや時間の長さを想像しても実感が薄く、事の重大さに気付きづらいのかも知れない。だけどお金の事であれば時間の長さよりも想像つきやすいとは思う。現状の司法制度では難しいかもしれないが、実際に被害にあった金額が明確にわかる犯罪行為については受刑者が社会に戻った後も被害額を返済するまでの仕組みづくりをして行ってもらいたいと思う次第ではある。世間は人手不足と嘆いている業態も多々あるので、その点と上手く協力する事が出来れば良いな。と淡い期待を抱いてはいるが想像の範疇ではあるので、この場を借りてはここまでにさせて頂きたく思う。