リアル獄中記「ムショ活」

受刑者ブロガーJ。1993年生まれ、26歳。2019年2月に詐欺容疑で逮捕され、上野警察署から東京拘置所に移送された後、2020年2月に懲役の実刑判決を受け、現在福井刑務所に服役中。厳しい発信制限の中、娑婆に居る協力者の手を借り、獄中記ブログ「ムショ活」を毎日更新。

5/23(土曜)「読書という荒野」

休日。

 

3月末に購入していた文庫本3冊が届いた。

 

その内の1つ、日本の出版界のドンである見城徹の「読書という荒野」を手に取った。

 

読み始めるとページをめくる手が止まらない。

 

本とは、単なる情報の羅列ではない。

 

自分の弱さを思い知らされ、同時に自分を鼓舞する現実を戦うための武器なのだ。

 

自分に足りない言葉が、自分の人生の指針となる言葉が、全てこの1冊に集約されているように思えた。

 

団 鬼六の「一期は夢よ、ただ狂え」という言葉に感銘を受け、吉本隆明の詩を読み心が奮えた。

 

その他にも、沢山の人との関係の中で、見城徹が獲得してきた言葉、思考に心底痺れた。

 

この人ほど言葉を大事にしている人は居ない。

 

読者ひとつにこれだけ魂でぶつかっている人は居ない。

 

人は、自分の“言葉”を獲得することで初めて自分の人生を生きられる。

 

正解な言葉がなければ深い思考はできない。

 

深い思考がなければ人生は動かない。

 

読書を通じて、出版界の革命児が切り拓いてきた道には血が滲んでいる。

 

見城徹が血を流しながら創り上げた究極の読書論に出会い、人生が大きく動く予感がした。

 

これから先、読書を通じて人間の矛盾や葛藤、悩み、痛みを知り、現実と格闘しながら前進していきたい。