リアル獄中記「ムショ活」

受刑者ブロガーJ。1993年生まれ、26歳。2019年2月に詐欺容疑で逮捕され、上野警察署から東京拘置所に移送された後、2020年2月に懲役の実刑判決を受け、現在福井刑務所に服役中。厳しい発信制限の中、娑婆に居る協力者の手を借り、獄中記ブログ「ムショ活」を毎日更新。

5/24(日曜)「充足への道は比較にこそある」

今日も休み。

 

快晴で気温も高く、居室の窓を開けるといよいよ夏の匂いがする。

 

水分を含んだ空気がなんとも夏っぽい。

 

エアコンも無く、生ぬるい風を浴びながら、敷地内に植えてある草の匂いを嗅ぐと懐かしい気持ちになる。

 

一気に少年時代に戻った気分。

 

居室内でも半袖半ズボンと完全夏仕様に変更。

 

ここでは上に着ているものは必ずズボンにしまわなきゃいけないので、丸坊主にTシャツをINした姿は中々滑稽で笑える。

 

足の毛が無きゃ少年そのものだ。

 

てか、ここに来て思うけど体の毛が鬱陶しすぎる。

 

毎日掃除する度に落ちてくる毛にウンザリ。

 

出所したら絶対脱毛しよう。

 

午前中は将棋番組で軽く脳の運動。

 

解説者の説明が早いのと、同居人達がゴチャゴチャ言うから全く理解できない…。

 

刑務所では自分のペースというものがほとんど壊されるので何かを覚えるのにも倍の時間がかかる。

 

思えば自分が1人になれる瞬間が0.1秒も無い。

 

新人受刑者のうちは誰もが経験する時間なのでひたすら耐えるのみ。

 

いつか来る1人の時間を最大限に味わう為に、この時間は絶対に必要だ。

 

幸福は不幸によって得られる。

 

絶望しかけた時間があるからこそ、自由の体験が華々しく感じられることは自分が1番良く知っている。

 

充足への道は、比較にこそある。